マイコンとの出会い(PIC16F84A)

 

私が初めてマイコンに出会ったのは2005年で、本通りアカデミー書店で古本(手前オレンジ)を発見したのがきっかけです。
当時3年間ほど本業から全く離れた業務に従事しており、暇を持て余していた時期でした。
そこには、高度に発展し多彩なことができるOSや、それを支えるライブラリなどは存在しない世界がありました。
使える言語はアセンブラが中心。パソコン黎明期に存在していた、一から全てを手作りする世界が残っていたのです。

いわば「失われた世界」でした。

 

当時ホビーストがよく使っていたチップが「PIC16F84A」というものでした。
ですが、電子工学の基礎は全くないしオームの法則すら怪しい私
そりゃもう大変なイバラ道でした。

ま、それが楽しいのだけども。

(この本には少し騙されたのです。使ってるアセンブラは秋月提供の独自マクロアセンブラで、他の本で読んだ純正アセンブラよりはるかに強力でした・・・)

 

当時初めて作った基板は単純にLEDが光るだけ(「Lチカ」)の物です。
1個500円のチップを秋葉原の秋月電子で購入しました。
プログラムエリアは1024文字分、メモリー(RAM)は64バイトしかありません。
入出力は10数本あるチップに生えた足の電圧を読むか、5V電圧をon/offするしかできない。

 

結局当時は、LED制御だけで実現できる交差点信号システムを作るところで自身の技術的限界を感じて終わってしまいました。
左の写真は7セグと呼ばれる文字表示装置を付けて動かす回路。当時のまま放置されはや11年
机の中には今でも当時の夢のかけらが多数眠っています.


こんな非力なチップですが、ビデオ信号を生成してピンポンゲームを作ったり、シリアル通信手順「N81XN・・」を実装し取得データをパソコンに送信したりする先達に感動。

 

CPUアーキテクチャもパソコン向けとは大きく違っていて、サブルーチンからの復帰方法には驚きました。
この時期には、いろんなサイトや本に出会えて、大変貴重な経験ができたと思ってます。

 

電子工作ド素人の私が言うのも何ですが、一般論として・・
今はマイコン界も、充実したライブラリとパッケージ化されたセンサーを繋ぐだけで、けっこういろんなことができる世界になってきているようです。

でも、プラモデルを組み立てるだけと、原理原則を知って一から作り出せることには決定的な違いがあると思います。

そうはいっても世界の動きは速すぎるのも事実

あれこれコラボして収益を上げるのが上手な生き方というのも、しょうがないですよね。

だけど新たな物を作るとためには、基礎を知らないとダメなことも事実

バランスが大切なんだなと思います。